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今朝は美香に会えなかった。
それだけでなんかテンション下がる。
「お!隼人今日も遅刻ギリギリだな」
「うっせ」
こいつは幼稚園のときからの幼なじみの宮本亮介。
バカで単純だけど、すげーいい奴。
「ってか元気なくない?」
「おー」
「あっ。さては噂の彼女に会えなかったとかー?」
亮介だけには話した。
そしてこいつは、俺の気持ちをなぜか読み取る。
「…あぁ」
「はははっ。隼人めっちゃおとめー」
「ほっとけ」
そんなテンションじゃねーんだよ。
相変わらず笑ってる亮介の脇腹を殴り自分の机についた。
ガラガラガラッ
中年太りの担任山田。
はあ。
また長い1日がはじまる。
「おはようございます。今日は転入生がいます」
転入生?
クラスが一気にざわつく。
静かに、山田の冷静な声でも止まない声。
俺の前の席の亮介もこっちをみながら、なんかいってる。
「…はいりなさい」
クラスに緊張感がはしり、しんと静まった。
ガラガラガラッ
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