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キーンコーンカーンコーン
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チャイムがなったと同時に、クラスの男子たちが動き出した。 目指すは美香の席。
そんな男子たちを女子は覚めた目でみてる。
みんなで一気に話しかけてるから、タイルセールのオバサンみたいだ。
美香に目をやると、
誰かの質問に答えるわけでも、
誰かのバカなジョークに愛想笑いするわけでもなく
…ただ黙って真っ直ぐ前を向いていた。
こんなとき、亮介は誰よりはやく美香のとこに行く。
だってかわいい子大好きだからな。
だけど亮介は、窓際の誰かの席に腰掛けて、美香を見つめてた。
なんだこいつ?
熱か?
ってかなんか、目がうつろなんだけど。
「おい、亮介…」
「いや…、うん。なんでもない。ごめん隼人。…1時間目さぼるわ」
「あ?ああ、だったら俺も…」
「いや。ちょっと考えたいことあるから。…1人で」
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