第二章「始まり」

10/13
前へ
/20ページ
次へ
キーンコーンカーンコーン ――――――― ―――― チャイムがなったと同時に、クラスの男子たちが動き出した。 目指すは美香の席。 そんな男子たちを女子は覚めた目でみてる。 みんなで一気に話しかけてるから、タイルセールのオバサンみたいだ。 美香に目をやると、 誰かの質問に答えるわけでも、 誰かのバカなジョークに愛想笑いするわけでもなく …ただ黙って真っ直ぐ前を向いていた。 こんなとき、亮介は誰よりはやく美香のとこに行く。 だってかわいい子大好きだからな。 だけど亮介は、窓際の誰かの席に腰掛けて、美香を見つめてた。 なんだこいつ? 熱か? ってかなんか、目がうつろなんだけど。 「おい、亮介…」 「いや…、うん。なんでもない。ごめん隼人。…1時間目さぼるわ」 「あ?ああ、だったら俺も…」 「いや。ちょっと考えたいことあるから。…1人で」
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加