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「分かりました。その
相談、受けましょう。報酬についてはまた完了してからということで」
「ありがとうございます」
「では、日を改めてお宅にお伺いします」
地図を受け取り、岸田は笑顔で川井を見送る。有馬もその後ろで頭を下げた。ドアを閉め、足音が遠ざかってから岸田は椅子に座り、足を机に乗っけた。
「あー、疲れた。コーヒー」
「はい。にしても、お客の前ではあんな感じたんですね」
「あ?ああ、まあな」
淹れたコーヒーを机に置くと、岸田は一口飲む。その刹那、苦ぇ!とカップを勢い良く机に置いた。
「砂糖は!」
「ああ、すみません。忘れていました」
「お前……!俺は砂糖が無きゃ飲めねぇんだよ!」
チッと舌打ちをし、岸田は新聞に目を通す。有馬は面倒くさいな、と溜め息を吐く。すると、岸田が丸めた新聞紙で強く頭を叩いた。
「痛っ、」
「明後日、10時来い。今日は帰れ」
「何なんです、いきなり!……分かりました」
余りに睨むので、有馬は文句を言おうとしていた口を閉じる。仕方無く、鞄を持ってドアを開ける。
「じゃあ、お疲れ様でした」
「ああ。忘れんなよ」
はい、と返し、有馬は事務所を後にした。初日の仕事は余り良く分からなかったが、何とかやっていけるかもしれない。
そんな考えを打ち砕かれるとも知らず、有馬は自宅に着いたのだった。
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