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彼はまあ普通の高校生だった。
特に中二なわけじゃないし、高校生にしては健全な方、顔も成績もまさに平均。
そして人並みのアニメ好き。
そんな彼、風峰昴の運命が変えられたのが学校からの帰り道。
いつものように車道沿いの歩道を歩いていた時のこと。
突然だった。
急に風が吹いてきた。高い建物がそんなにあるわけでもないのにビル風みたいな突風。
その風に流されるように、昴は車道にバランスを崩して倒れた。
「は?」
駅が近いこともあり、交通量は多い。
何が起きたのか分からないまま後方からクラクションが鳴り響いた。
一一あ、俺死ぬかんじ?
そこだけは理解する。
一一16年、人生短かったな。
今までの出来事が走馬灯のように流れ…
ーーせめてハガレンの最終回もう一度見たかった。
はしなかった。
その直後、昴の体は宙を舞った。
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