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___屋上。
美華「あの…返事…なんだけど…」
大貴「うん。」
ちゃんと…言わなきゃ…
美華「あたし…好きな人がいるの。だから…ごめんなさい…」
あたしがそう言うと、大貴の顔が曇った。
大貴のその顔を見ると、あたしまで胸が苦しくなってくる。
大貴「…そっ…か…」
消えるような声で、大貴はそう呟いた。
美華「…」
大貴「…」
あたしは、そんな大貴に、何も言うことが出来ず、黙ってうつむいてしまった。
そんな中、二人の沈黙を破ったのは、大貴だった。
大貴「…だいたい…わかってたよ…。荒木が…好きなんだろ?」
どうして…
なんでわかってしまったんだろう…
わかってたんだったら、あたし…すごく大貴のことを傷つけてたんだ…
あたしは、あたしが涼介と水野さんを見るときと同じ気持ちを、大貴に味あわせてたんだ…
美華「う…ん。ごめんね…?」
すると大貴は、笑顔になって言った。
大貴「いいよ。あいつと、うまくいくといいな。」
美華「大貴…」
どうしてこんなに優しいんだろう…
美華「うん…!ありがと!((ニコッ」
大貴「うん。やっぱ美華は、笑顔でいるほうがいいよ。」
美華「そっかな」
大貴「そうだよ。美華、荒木に気持ち伝えた?」
美華「…ううん。」
大貴「伝えなきゃ!」
大貴…
美華「…うん!」
大貴「…行っておいで」
美華「ありがと!」
そういってあたしは、屋上から飛び出した。
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