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~~~涼介side~~~屋上。
雅「涼介っ!あのね、あたしクッキー作ったんだ♪涼介に早く食べてほしくて、走って来ちゃった。」
雅がいつもの、かわいい笑顔を向ける。
でも…
涼介「ありがと。雅。」
雅「…?どうしたの?涼介、いつもより元気ないけど。」
涼介「…雅。」
雅「なに?」
涼介「お前に、大事な話がある。」
雅「大事な話?」
俺は、ゆっくり息を吸い込み、口を開いた。
涼介「…別れよう」
雅「…え?うそ…でしょ?………あ…またいつもの冗談っっ!!…」
涼介「違う!!冗談じゃない。本気だ…」
雅の目に、涙が溜まっていくのがわかる。
雅「や…やだよ!!あたし…涼介と別れたくない!!嫌なとこあったんなら直すから!!ねぇ!あたしのどこがいけなかったの?教えてよ涼介……!!」
いつも笑顔の雅が、涙でぐちゃぐちゃになっていく。
俺…最低だな…
涼介「雅じゃない…ダメだったのは、雅じゃないよ…。俺がいけなかったんだ…。俺…俺に、他に好きな奴が出来たから…」
雅「え…あ…じゃあ、最近いつも一緒にいる子…?」
涼介「…うん…ごめん…」
雅「そっ…か…。うん、わかった…。あ~ぁ、その言葉だけは、涼介から聞きたくなかったなぁ~…」
雅が無理して平気なような話し方をしているのが、すぐにわかった。
涼介「…ごめん」
雅「涼介だけは、あたしのこと、ずっと好きでいてくれると思ったんだけどなぁ~」
涼介「…ごめん」
雅「……なんでごめんしか言わないの!?なんでもっとひどいこと言わないの!?『お前と別れられてせいせいする』とか、『お前なんかよりあいつはもっといい女だよ』とか…。そういうこといってくれないと…じゃないと……あたし涼介のこと忘れられないじゃん!!」
雅の気持ちが痛いほど伝わってきた。
涼介「雅…。ごめん…。今は、これしか言えない…。でもこれだけは言える。俺は、雅を嫌いになったわけじゃない。雅は、すごく素敵な女の子だ。だからきっと、俺なんかよりいい男のほうがお前を幸せにできると思う。俺、雅のことがすごくすごく好きだった。雅の彼氏になれて、幸せだった。」
雅「……涼介…。ふふ…。涼介、絶対あの子と幸せになってよね!幸せにならないと、許さないから!!😉」
涼介「…おぅ!」
雅「じゃ…ばいばい!」
そういって、雅は去った。
雅は…すごく優しい奴だ…
ありがとう…雅…。
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