『運命の人。』

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―――――その頃。 美華「大貴っ!!大貴っ!!痛いっ!!」 大貴「あ…。ごめん…。」 そういって、大貴は美華の手を離した。 大貴「美華…さっきはごめん。」 美華「あ…ううん…」 なんだか、いつもの大貴と違うみたい… 大貴「…だけど、俺の、お前が好きだって気持ちはホントだから。ホントに本気で美華が好きだから。」 《ドキン》 大貴「返事は…いつでもいいよ」 そう言うと、大貴はいなくなった。 どうしよう…。大貴があたしを好きなんて…。 あたし…大貴のこと友達としてしか見たことないのに… でも…でもね、わかったことがあるんだ。 大貴の好きだって言葉で気づいたの。 さっき…涼介の言葉で涙が止まらなかったのは、涼介が…好きだから。 あたしはまだ、涼介のことが好きだったんだよ。諦めきれてなかったんだよ。 無理して忘れようとしてたけど、そんなこと、最初からできるわけなかったんだ。 好きって気持ちは、簡単に押し込められるようなものじゃない。 自分じゃコントロールできないものなんだ。 それが、恋、なんだ… だけど… 涼介には彼女がいる。 分かってる答えを聞いてまたさっきみたいに傷つくのは…怖い。 でも… 気持ちは…言葉にしないと伝わらない。 怖がってちゃダメなんだよ。 だから、大貴には悪いけど、涼介の答えは分かってるけど… 伝えてみよう。 涼介に、 あたしの、 本当の気持ちを…。
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