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ちかちか
暗闇の中で眩しいほどに煌びやかな金色が輝いた
「…助けるよ、飛鳥。」
寮長…歩はそう言っていつもの優しい笑顔を浮かべた
気付けば俺に覆いかぶさっていた加賀は引き剥がされ、俺は歩の後ろに庇われて隠される
なんで歩がここに
歩は包むように俺の震えの止まらない手を握った
「邪魔なんだよ…神無月。」
「それはよかった。」
加賀の威圧感たっぷりの低い声にも臆しない飄々とした振舞い
「君の事は最初から信用していなかったよ。
最初の方こそは上手く猫被れてたみたいだけど、本性現すなら今日かと思ってね。」
「今日まで任務を全うしてやったんだ、褒美くらいちょうだいしても誰にも咎められない。」
「騎士として最低の発言だね。」
本性?任務?騎士?
目の前で飛び交う言葉の意味が分からなくて混乱する
加賀もそうだし歩もいつもは見せない表情で加賀を見ている
俺の知らない二人がいる
「歩…。」
不安になって握られた手を引っ張って気を向かせる
歩は少し悩んだ様子を見せると、俺の気持ちを汲んだのか話し始めた
「飛鳥、僕と加賀は知ってたよ。
最初っから君が一色の人間だってね。」
ーーーーえ?
さらりと告げられた言葉に酷く動揺した
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