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「冬に御前が遭難したことあったろ。」
「え、あ…はい。」
まさか学校の敷地内で遭難するとは思ってなかったけど
確かにそんな事があった、加賀のおかげで助かったんだったっけ
「俺には何も怖いものなんて無かった筈なのに
雪に埋まった御前を見た時、死ぬほど怖くなった。」
「え?」
「御前の意識が戻った時には死ぬほど安心した。」
まさか加賀がそんなに俺の事を心配してくれてたなんて知る由も無かった
死ぬほどって、
あまりのオーバーな表現に笑いを漏らしてしまうと
加賀はそんな俺の姿を見て優しく笑った
「そして、やっと気付いた。」
すっ
加賀の角ばった手がするり、と俺の頬を滑った
驚いて顔を上げると、そこにあったのはいつもの強面からは想像も出来ない蕩ける様な笑顔
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