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「!!…か、加賀…何、どうしたんだ」
突然腕を強く引っ張られたと思ったら、それは加賀で何も言わずに俺を半ば引きずるように引っ張った
…様子がおかしい
何度名前を読んでもこっちを向かずに、俺を無理に家に連れ戻した
玄関にもたれかかった俺にやっと顔を見せた加賀の顔を見て絶句した
「…かが…?」
見たこともないような怖い顔だった
「まさかこんなに時間がかかるなんて思わなかったな、やっぱり御前みたいな奴は男経験も豊富なのか?」
加 賀 は 何 を 言 っ て る ん だ … ?
「でもやっと落ちた。」
「いたっ…!」
髪をぐいっと掴まれて上を向かされる
そこにあるのはもう優しい顔じゃない、自然と体が震えた
「何だ?その顔は?…俺が善人だとでも思ってたのか?」
思ってたし、今もそう信じている
確かに加賀には悪い噂しか無かったし加賀から俺を離そうとしている人も多かった
でもそれはただたんに顔が怖いからそんな誤解をされているんだって、本当はこんないい奴なんだって
思ってたのに
「好きな奴にこうして裏切られた気分はどうだ?」
知らない
こんな加賀
「俺はな、人の絶望した顔が堪らなく好きなんだよ。」
知りたくない
ーー頬を何かが伝った
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