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明らかに動揺の色を見せた飛鳥
無理もない、全ては秘密裏に行っていたことだから
『君達には一色飛鳥の騎士になってもらうよ。』
理事長にそう言われたのは飛鳥が入学してくる一日前
まさか一色家の人間が入学してくるなんて思ってもなかったし、その騎士役に任じられるなんて
あくまで丹波として生きる彼に大層な護衛をつけるわけにもいかないらしく生徒を役につけたらしい
優秀で彼を監視しやすい僕と
素行は悪かったが彼を守れる力を持った加賀
『彼を守ってくれ。』
僕達は彼の騎士となり
彼に危害を加えるものをこっそりと抑制していった
「…何で黙ってた。」
「元から言うつもりなんて無かったよ。知らなくて良かったんだ、だからこれからの事も知る必要はない。」
「何をするんだ。」
不安そうな顔をして俺の服の裾を皺になる程に握った飛鳥の手をそっと離して握ってやる
そして、軽く手の甲に唇を落とした
「今すぐお帰り、ここに居たことは誰にも言わないんだよ。
ちょっと説教するだけだから気にしないで。」
「本当のこと言え…!何でそんな顔で笑ってるんだ!」
「駄々をこねるなんて君らしくない、本当になんでもな」
「い…一色の言うことが聞けないのか!!」
辛そうな顔をして傲慢な言葉を吐いた君
…君にそんな言葉を言わせるなんて最低だな、僕は
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