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ひらひら
桜の花びらが手にふわりと優しく落ちた
「飛鳥!!」
「げっ…。」
その声に渋々振り向くと
案の定お怒りである宗吾さんが腰に手を当てて立っていた
よりによってこの人に見つかるとは
「病人が勝手に病院を抜け出すんじゃないっ!」
「もうすっかり傷口塞がったんだけど…。」
「何があるかなんてわからないだろう!?」
何を言ってもぷりぷりと怒り続けそうな宗吾さんにげっそりしていると救いの手が差し伸べられた
「父さん、いい加減にしないと飛鳥に嫌われるよ。」
「類!」
「なっ、なんだって…!?」
類はやれやれと笑って、俺の方を見た
加賀を庇って撃たれた俺は一時昏睡状態に陥ったものの比較的軽傷で収まり、今もこの世に存在している
まあ…それ以来宗吾さんのウザさが増して迷惑してるわけでいつも類に助けてもらっている
入院していたせいで入学式には行けずに、今年入学する類の晴れ姿も見れなかったが類もとうとう高校生だ
とりあえず、ちぢめ
「もう退院出来るってさ。」
「やっとか!病院食にも飽きてた所だ。」
「ま、まだ早いよう…もうちょっとだけ入院」
「父さん。」
俺は苦笑いした
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