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そう呟いた瞬間、突風が吹いて、まるであたしの言葉に反応するかのようにイチョウの葉が舞い落ちる。
黄金の吹雪のように辺りに舞うその葉は、自分を別世界にいるような感覚にさせた。
カシャ。
「?」
(シャッター音?)
あたしが振り返ると、そこにはカメラを構えた男の人がいた。
「あ、すいません。イチョウの葉が舞って、すごくキレイだったんでつい…」
カメラをおろして現れたのは大人しそうな、あたしよりいくつか年上に見える男性の顔。
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