《黄金の吹雪》

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「キレイですよね」 あたしが再び木を見上げると、彼がゆっくりと近づいてきた。 そして隣まで来ると、あたしと同じようにイチョウの木を見上げる。 「えぇ」 「写真、お好きなんですか?」 「はい。趣味の程度ですけど」 彼が照れくさそうに笑う。 「僕、ここから見える景色が好きでよく来るんですよ」 「私はたまに公園の前を通るんですけど、イチョウの木があるのも、ここからこんな夕陽が見られるのも初めて知りました」 「そうですか」 彼がふっと笑う。それにつられてあたしも笑う。
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