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――と今に至る。
ハァ、あの頃の静かな日常に戻りたい。
「お前、もうここに来んな。うるさいし、周りに迷惑だろ」
あれから毎日俺のいる教室に入ってくる。
そしてその度にこのバカ(東雲)が俺の名を叫ぶので最近の俺はめちゃくちゃ目立ってしまっている。
さらに悪いことに、このバカはヴィジュアルのレベルが結構高い。
……世の飢えた男子は今の俺の発言に怒りを覚えるかもしれない。
しかし、言わせてもらおう。
俺は普通がいいのだ。
顔がいいやつほど俺は信用できない。
とくに曲がり角でぶつかって一目惚れするような奴なんぞ論外だ。
普通が一番。
普通 is forever。
「どしたの浦川様?演説をやりきったあとの人みたいな顔になってるよ。」
「……いや、別に。とにかく早く出てけ。これ以上俺の静かな日常を脅かさないでくれ。」
「じゃあ大人しく私のものになって……」
俺はバカの襟と腰の服の裾を持ち、振り子のように振り始める。
「毎日あんなことやこんなことを……って何をやってるんですか浦川サマ?」
そして無言のまま清掃員がゴミ収拾車の中にゴミを投げ捨てるかのようにバカを廊下へ放り投げた。
「へぶっ……。ちょ、ちょっとひどくないですか!?リアルだったら大怪我ですよ!!」
「バカは風邪をひかないって言うだろ?じゃあ大バカは怪我もしないはずだ。」
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