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――東雲宅前
外観はいたって普通。
2階立ての一軒家である。
こんなヤツの家だから少しは覚悟していたつもりだったが、よかった普通で。
「ちょっと待っていてください。準備ができてないみたいですから。」
準備というのは飯の準備だよな?
どうか普通であってくれ、そして俺を無事家にかえしてくれ。
「お待たせしました。どうぞ。」
……ゴクッ。
思わず生唾を飲んでしまう。
しかしもう退くことはできない。
……よし、覚悟は決めた。
俺は東雲宅敷地内に1歩踏み出した。
「バヴバヴバヴ!!」
「うわぁぁぁ!?」
「Stay Jack!!」
覚悟を決めたのに不覚にも声をあげて驚いてしまった。
「ごめんなさい、つないでおくの忘れてました。この子はブラッド・ハウンドのジャックっていうんです。人見知りする子ですから気をつけてください。」
「あ……あぁ、よろしく……ジャック……。」
「ヴヴヴヴヴヴ。」
ブラッド・ハウンドってなんだよ!?
直訳すると“血の狩猟犬”………名前めちゃくちゃ怖ぇじゃねーか。
絶対俺のこと敵……というより餌だと思ってるだろ。
だって目が狩人、いや狩犬の目になってるもん。
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