普通

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「気を取り直して、どうぞ。」 「お邪魔します……。」 ……中も普通だ。うん、やっぱりいいな普通って。 「ようこそいらっしゃいました。」 「あっ、どうも」 玄関に入ると俺を迎え入れる人物がいた。 東雲の姉だろうか? しかし、雰囲気はどこか落ち着いていてコイツとは正反対である。 「私はこの家のお手伝いをしております、“武者小路 咲(むしゃのこうじ さき)”といいます。」 「23歳で、独身だよ!!」 なぜそこを強調する。 てか、すごい名前だな。 武将みたいだ。 「名字は長いので咲と呼んでもらってかまいません、浦川様。」 「はい……て、なんで俺の名前を?」 「お嬢様からいろいろお話は伺っておりますゆえ。」 「……?お嬢様?」 「東雲 奈々様のことにございます。」
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