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「だよね~。つーかさ、あん時のアイツって……。」
うるさい。
「いや、本当にマジでだって!!めちゃくちゃカワイくてさ……。」
うるさい。
「昨日のテレビ見た?泣けたよね~……。」
うるさい、うるさい、うるさい。
12月24日、世の中はホワイトクリスマスと騒いでいる。
しかしここにクリスマスなど無くなればいいと思っている人物がいる。
それが俺、“浦川 春馬(うらかわ はるま)”だ。
俺はクリスマスだけが嫌いなわけではない。
全ての行事やイベントといった騒がしくなるものが嫌いなんだ。
死んだやつの誕生日を祝ったり、年のはじめや終わりで騒ぐなどバカバカしい。
この世の中はうるさすぎる。
俺はそう考えてる。
現在俺は某高校の二年生なのだが、この貴重な授業の合間の時間に奴らはずっと喋っているのだ。
あり得ない、考えられない、理解できない。
もっと有意義に使おうとは思わないのだろうか?
しかしそれ以上にあり得ないヤツがいる。
「浦川サマ~、元気してる?」
来やがった。1年3組の“東雲 奈々(しののめ なな)”。俺にとっての嵐であり、天敵であり、疫病神である。
「今日もカッコよすぎ!!」
……頭が痛い。そして周囲からの目が痛い。
「またあの人きたよ……。」
「ここ最近毎日じゃん……。」
こいつが俺の所に来るのはこれで7日目である。
七転八起という四字熟語があるが8度目で倒れて七転八倒とならないかと願うばかりである。
いい加減諦めてほしい……。
そもそものきっかけは一週間前……――
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