普通

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……コイツがお嬢様?冗談だな。 きっとお手伝いさんの世界では雇い主の娘をそう呼ぶんだろう。 ……一応確認してみるか。 「お前の家って金持ちなのか?」 「ビル・ゲ○ツと比べると全然ですよ。」 金持ちだ!!めちゃくちゃな金持ちだ!! 比較対象に世界で一番の人を持ってくるなんて相当なやつなんだ!! 「では、リビングへどうぞ。準備はできております。」 「ハイ……オジャマシマス。」 「あれ?どうしたんですか?いきなりカタコトになってますし、すごい汗ですよ。」 「…………。」 緊張する。 最初に見たときは普通に見えていた家も今となっては全く別物に見える。 部屋にめちゃくちゃ高そうな壺とか絵があったらどうしょう。 「ほら、入りましょ。」 俺の背中を押し、中へと追いやられる。 「待て、まだ心の準備が………――
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