嵐、天敵、疫病神

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――駅事務所内 時刻は8:30。 そろそろ最初の授業が始まる頃だ。 俺を含む男3人は警備員に連れられ駅内にある事務所にいる。 「この中にいるはずよ!さっさと捕まえてちょーだい!!」 被害者は30代のお世辞にも綺麗とは言えないおばさんだ。 しかし誰が好き好んでこんな人に痴漢をするのだろうか? 皆目見当がつかない。 「あっ、そうよ!思い出したわ!!この学生が私の後ろにいたわ!!」 俺かよ!?確かに後ろにはいたけど、あんたみたいな人触りたくもねーよ!! あんたを触るのはゴキブリを愛撫すんのと大差ねぇくらい嫌だ!! 「君がやったのか?」 警備員がこちらを睨む。 「いや……俺じゃ無いです……」 反論虚しくその場にいる全員が疑いの目を俺に向ける。 今度こそGAWEOVER、いやDEADENDだな……。 「待って下さい!!」 聞き覚えのある声が張りつめていた空気を裂くように通った。 アイツだ。 今朝からずっと俺の貴重な時間を潰しまくっているあの女子生徒だ。 「君っ!勝手に入ってきたら……」 女子生徒の侵入を阻もうとする警備員。 しかし彼女が言った一言で警備員は手を止めた。 「私、犯人見ました!」――
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