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「次、送信お願いします。」
「………。」
仕方なく赤外線の送信ボタンを押す。
今後メールの受信ボックスがコイツからの迷惑メールで埋められるのかと思うと……ハァ、頭が痛い。
「浦川 春馬さん……。では浦川さんのことは親しみを込めて浦川様と呼びますね。」
「親しみじゃなくて敬意のような気がしますけど……。」
「いえ、敬畏です。」
「畏れてんの!?」
「経緯です?」
「何のだよ!?てか何で疑問系!?」
「軽易です!!」
「もはや逆の意味だ!!」
くそっ、思わず素でツッコんでしまった。
しかしこんな高度かつ小説でしか伝わらないようなボケを繰り出すなんて……意外にやるな、東雲奈々。
「では改めて、私は1年3組の東雲奈々です。よろしくお願いします。」
コイツ1年だったのか、何かさっきまで敬語で話してたのがいっそうバカらしく思えてきたのは俺が変なのであろうか?
「……2年2組、浦川。あんまりうるさくしないようによろしく。」
「2年2組ですね、ではこれから毎日浦川様のお隣に行って……」
俺は東雲を背に早足で歩き出した。
とにかく早足で歩いた。
遅刻もしてるし。
「……そしてゆくゆくは……って、ちょっと浦川様ぁ―――
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