9/10
前へ
/110ページ
次へ
「じゃあ…雷君って呼ぶね、俺は相模野瑞騎、瑞騎って呼んで…」 「瑞騎さんですね、わかりました…」 雷君は照れながら俺の目を見る。 “カワイらしい”って言われたけど…雷君の方がよっぽどカワイイよな 「おい、山本!!サボるな、仕事しろ!!」 奥で、いかつい店員さんが雷君に怒鳴る。 「すっ、スイマセン…今戻ります。」 「ご、ゴメン引き止めて…」 「大丈夫ですよ…さっきの先輩、頭が硬いんですよ…」 と、雷君は意地悪そうに笑う。その笑い方がとても子供っぽくてかわいかった。 「えーと、じゃあ…さっきの本持ってきますね」 雷君は"トコトコ"と歩いて行った 俺は、雷君が探してくれてる間にその辺の棚にある本を取ってみた。 "男を手玉に取る方法" "男心とは?" こんな本を読んだところで女に何が解るんだ? …………なんて考えていると、 「瑞騎さーん」 「わっ、わぁっ!?」 雷君は俺の耳元で囁いた。 俺はビックリしすぎて大きい声を出してしまった…
/110ページ

最初のコメントを投稿しよう!

193人が本棚に入れています
本棚に追加