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「おぅ、ようやく 涼しくなってきたな。」
「秋だぜ、 秋!!」
嬉しそうなアニキの声が 響き渡る。
「今年の夏は 暑かったもんなぁ。」
ふふん、夏と秋の違いってやつ、おいらちゃ~んと 知ってんだぜ。
《夏》ってのはな、アニキが パンツ一丁なんだ。
今のアニキは ジャージ姿だ。
これが《秋》ってもんだ。
あれっ、違うかい?
「うぅ~~、秋になったらなったで、何着りゃいいんだ?全く、面倒くせーったら無ぇぜ。」
不精なアニキは、センスも無ぇ。
「おめぇらいいよな。外出る時、着替えなくていいもんな。」
へへ~んだ。
うらやましいだろ?
「そっか。外、出ないもんな。」
おいらとアニキは 種族が違うんだ。
アニキは【おばさん】って種族なんだって。
アニキはおいらのこと【インコ】って言うけどさ、おいらにゃよくわかんねぇ。
いいだろ?おいらが何者だって。
「そうだ。今日はオムライス食うぞ。ありゃりゃ、玉子が無ぇな。買ってくるか…。」
アニキとおいらは種族が違うから、言葉は通じねぇ。
けどさ、おいらにゃアニキの心の声が聞こえちゃうんだな。
テレパシーってやつさ。
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