その名はウィザード

3/29
前へ
/29ページ
次へ
 異次元体対応作戦学校、ウエストゼネティックス。 「でかいな……」  正門の前で、少年が呟く。  黒い髪に端正な顔立ちをした少年だ。ウエストゼネティックスの制服を身に付け、肩からエナメル製のバッグを下げている。 「はじめまして。イザヨイ・タクミ君」  声を掛けられ、タクミは声の主を見る。肩口で切り揃えられた髪型の少女が、にっこりと笑みを浮かべていた。 「私は、生徒会長のシフォン・フェアチャイルドと申します。校長室に案内しますわ」 「あっ、どうも。よろしくお願いします」  綺麗な人だな。  タクミはそんな事を思いながら、ウエストゼネティックスに足を踏み入れた。
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!

54人が本棚に入れています
本棚に追加