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「あ、いけない。
お友達待たせてるんだった！
じゃあね！」
言うだけ言って優美はさっさと去って行った。
「……ったく」
忍者のようにすばしっこい優美の行動に俺はため息をつく。
「優之助～！」
優美と入れ代わりに辰臣が手をブンブン振りながら現れた。
しかも満面の笑み……。
「……また騒がしいのがきた」
辰臣の登場に俺は頭を抱える。
「あ？」
意味がわからず辰臣は首を傾げた。
「何でもねぇよ」
お気楽な辰臣が辰臣らしいよな。
「たっちゃ～ん」
辰臣を追い掛けて神崎が現れた。
「お～。
みぽり～ん」
二人は俺と黒井がいるのもお構いなしに抱き合っていちゃつき始めた。
黒井はというと顔を真っ赤にしている。
どうやらこういうのに免疫がないようだ。
……ま、俺も人の事言えないがな。
「はいはい。
あっちでいちゃついて下さい」
俺は二人をぐいぐい押し追いやった。
全くもう……。
「あははっ！」
俺の行動を見て黒井は笑う。
黒井、よく笑うようになったなぁ。
よかった……。
「琴子」
俺は黒井をジッと見つめる。
「ん？」
黒井も俺を見つめ返す。
「笑うと数倍可愛いな」
顔を赤らめながら俺は歯が浮くような台詞を言う。
歯が浮いてもこれは俺の本音だ。
「もう、恥ずかしいじゃない！
でも、ありがとね」
黒井も顔を赤らめながら俺に礼を言った。
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