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その言葉を聞いた瞬間、健太は正明に詰め寄りヘリの壁に押さえ付けていた
「…お前ッ! 本気かよ!? 死んだらどうすんだ!」
健太が怒鳴る。しかし、その目は心配で染まっていた
「んな事言ったって仕方がねえだろうが! さっきこの人も言ったろ、誰かがやらなきゃいけないんだ
………わかってくれよ、親友」
目の前で繰り広げられる光景に千尋はどうすればいいのかわからず、俯いていた
だが、彼女はあることを決意し、顔をあげた
「……私も、行く」
その声は限り無く小さい
しかし彼女の言葉を聞き逃したものはいなかった
「千尋……」
健太と正明が千尋を見る
彼女の顔には、恐怖はない
あるのは強い意思だけだった
「………ッ! わかったよ! 俺も行く!」
暫しの沈黙の後、健太が観念したように声をあげた
運転士に顔を向け、声をかける
「なあ、そう言うのを頼むって事はさ
……武器、あるんだろ?」
男が、頷いた
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