~誘拐~

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「おはよ」 太陽が後ろから 声をかけると 「あっ。起きたんや。 おはよう。 今な、太陽はんが好物の 甘い卵焼き作ってるさかい も少し待っててな」 笑顔で極月が答えた。 「アレかっ!」 太陽が喜ぶ。 「そうや。ふふ(笑)」 「皿出しとくわ。 どれがえぇやろ?」 食器棚を開け 太陽が呟く。 「どれでも、えぇよ。 おおきに」 いつもと変わりのない、 穏やかな朝。 の、筈だった。 一本の電話が鳴るまでは―
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