潜入

8/53
前へ
/711ページ
次へ
ちなみに二校は姉妹校のようで案外近くにあったりする。 徒歩で15分かかるかかからないぐらい。 なので咲さんはその中心地点で待機だ。 「お前…本当に平気なのか?」 「何が?」 「その…また怪我したりとか…。」 「…シスコン。」 「シスコンいいじゃねぇねぇか!! 愛する妹を心配して何が悪い!!」 「キモい、ウザイ、今すぐ日本の反対側行け。」 「日本の反対側ってブラジルに!? 無理無理!!行くだけで24時間もかかる!! 姫に会えなくなるのだけはやだ!!」 「やる前から無理言うな馬鹿兄貴。 あと、あたしは逆に会えなくていい。 卓斗いるし。」 「ガーン!!」 「マジでウザイ…。 抹殺したいんだけど…。」 「……。」 拓也はもう口で争うことを諦めたのか、いじけ始めた。 「仕事前にいじけんなよ。 面倒なのがもっと面倒になるじゃねぇか。」 「…姫、変わったな。 前より、明るくなった。」 拓也の言葉にピクンと反応した。 あたしが明るくなった? あたし、が…? 「あ…姫?」 「あたし、変わってねぇよ。」 急に黙ったあたしを心配して覗き込んだ拓也を真っ直ぐと見つめた。 .
/711ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1859人が本棚に入れています
本棚に追加