潜入

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「………。」 あたしは今猛烈に居心地の悪さを感じている。 咲さんから話聞いたときは覚悟してたさ!! だけど確かにここは男子校…女教員も珍しいんだろうなぁ…。 「ちっ…。」 かといってじろじろ見られていい気はしない。 あたしは苛々する心を必死に宥めて職員室を探す。 職員室どこだー、あたしを誰か職員室に案内しろー。 と呪文?を唱えていると…。 「あ、あった。」 ‘職員室’と書かれたプレート発見。 「ラッキー、超ついてんじゃねぇか。」 そう小さく呟きながら職員室に入室した。 「失礼します。」 今からのあたしは姫川琥珀。 姫川琥珀は礼儀正しくおっとりして大人しく、守られるような人間…らしい。 ちなみにこの設定?性格を考えたのも咲さんだ。 正直あたしに演じきる自信は全くと言って良いほど無いが…。 (我慢)出来るとこまで演じきるさ。 あたしは職員室に一歩足を踏み入れる。 「本日からこちらでお世話になります、姫川琥珀です。 よろしくお願いいたします!!」 どうだ!!今まで幾多のバイトで養ってきたこの敬語力!! 今のあたしに怖いものなんかねぇ!! .
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