潜入

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あたしは内心冷や汗をダラダラ流しながら丸めていた教科書を元に戻す。 とにかくせめて今からでも教師らしく振る舞わなくては!! 「じゃあまずは本文を読みます。 教科書のThis is the…から。 listen and repeat.」 あたしはそれから順調に授業を進めていったと思う。 爆睡してる奴にはチョーク投げて頭にヒットさせたし、煩い奴にもチョークを当てた。 拳銃もできるからなのかチョークの命中率が中々良かった。 「じゃあ五行目の訳を…増田くん。」 「わかりませーん。」 即答かい!!と突っ込みを自分の中でし、誰にも気付かれないような小さな溜め息をついた。 これであたしに対して分かんないって言われたの何回目だろ。 真面目に答えてくれたのはクラス35人に対して両手で数えられる人数だ。 比率どう考えてもおかしいよな!!? …もうなんか…人間慣れねぇことするもんじゃないな。 今回は受けた任務だからやり通すけど、次からはこんな頭を使いたくない。 だってあたし本来全く勉強できないし、馬鹿だし!! 咲さんはあぁ言ってたけど人に勉強を教えるほど頭よくねぇんだ―――!! .
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