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「うーん…ここじゃないっと…。」
三つ目のデスクの引き出しを閉めながら頭を回転させる。
もしもあたしが誰にも見られたくなくて隠すとしたら…。
本の間に挟んだり、処分するよな。
…あ、薬は捨てらんねぇんだろうけど。
あたしは四つ目の机にかかるが…。
「ーん…。」
田中の小さな声が聞こえた。
やべっあいつ起きるんじゃ!?
あたしは慌てる心を落ち着け静かに引き出しを閉める。
「あれ…俺…。」
「寝ていましたよ。
相当お疲れになっているんですね。」
はいどうぞ、とあらかじめ沸かしておいたお茶を出した。
「…テストの採点、してたっけ。」
「はい、そしたら船を漕ぎ始めて…。」
少し無理があったか?と思ったが案外田中は馬鹿らしい。
変に納得してテストの採点を本当にし始めた。
あたしはそれに安心し携帯だけを持って職員室を出ていこうとする。
「どこ行くんですか?」
別にアンタに教える筋合いはねぇよ!!と、内心キレながらも笑顔を貼り付けた。
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