潜入

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頭の中に昨日徹夜で叩き込んだ校内配置を思い出した。 体育館は右だ。 あたしは右に方向転換し体育館を目指す。 窓が開いている教室からは騒がしい喧騒が耳にはいる。 授業中は黙れよ、と思うがあたしも人を言えるような奴じゃない。 だってあたし、授業は基本出ないか寝てるかだし。 「あっ、ここか…。」 あたしは思い扉を開けると靴を脱ぎ中に入った。 裸足の足に小さなゴミがくっついて気持ち悪いが少し我慢。 これだったら別に靴履いたまんま中入っても良かったんじゃね? 締め切った体育館の中は暑くまさに生き地獄。 さっさと匂い嗅いでこっから出ねぇと熱中症になっちまいそうだ。 もっともあたしはそんな柔じゃないが。 鼻をヒクヒクさせて匂いを嗅ぐが…暑さで鼻がイカれたのかよくわからない。 「あーでも変な匂いはする…。」 この匂いはどっかで嗅いだ事があるぞー、と思いながら体育倉庫の前まで来た。 「…こっからだ。」 あたしは一旦匂いを嗅ぐのを止め勢いよく扉を開けた。 いや、思ってたよりも扉が軽かったからそうなったのだが。 .
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