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両腕が自由になったことで手をプラプラさせる。
身体が自由になっちまえばこっちのもんだ。
あたしは左手でブラウスを押さえ下着を隠す。
「よくも幹をっ!!」
「幹だか馬鹿だか知らねぇけど、あんま馬鹿な真似やってると女できねぇぜ?」
「っつ…!!煩せぇ!!」
「ありゃ?図星?」
顔を真っ赤にして殴りかかってくる男子生徒達。
あたしはそれを冷静に返り討ちにしようとしたが―――。
バンッ!!と派手な音をたてて扉が吹っ飛んだ。
大破した扉は気絶した奴に直撃。
「テメェ等何やってんだ!!」
「!!ヤベッ!!」
「逃げんじゃねぇよ!!」
扉を蹴破って倉庫に入ってきたのは蓮―――では勿論なくて。
般若より恐ろしい顔をした卓斗だった。
卓斗は全員殴って気絶させるとあたしに駆け寄ってきた。
「お前…。」
「平気、まだ未遂。」
卓斗に背を向けボタンをはめていく。
「……。」
無言の卓斗が怖い。
このあと振り向いた瞬間絶対に拳骨が降ってくる。
あたしはかなりのスローペースでボタンをはめると後ろに振り返った。
「ありがと、助かった。」
まだあたしの正体(本性とも言う)は隠しておきたかったし、なにより…。
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