潜入

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卓斗が来てくれて安心した。 今はめっちゃ怖いけど。 「馬鹿野郎!!お前は何やってやがる!!」 「ひっ…!!」 般若と共に降臨した閻魔大王。 マジで逃げたくなった。 スッと卓斗の手があたしに伸びる。 殴られる!!と思ったが…。 「マジで…オレの心臓爆発させる気かよ…。 無茶だけはすんなって…いつも言ってんじゃねぇか…。」 「…うん。」 ギュッと、キツく抱き締めてくれた。 そしてようやく自分の身体が震えていたのに気付く。 さっき治まったと思ってたのに、卓斗が来て安心したのか…。 あたしは卓斗の胸板に顔を押し付ける。 「1人でやってんじゃねぇよ。 オレだって、あいつ等だっている。」 「…うん。」 「お前、世界一の馬鹿だ。」 「……うん。」 「こっから出るぞ。」 「…うん。」 あたしは卓斗に手を引かれ体育館を出る。 「……。」 「愛。」 「やだ、ってか無理。 家の財政状況知ってんだろ。」 「まだ何も言ってないだろうが。」 「想像つくし。 どうせこの仕事止めろとか、足洗えとか言うんだろ。」 .
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