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「……悪ぃかよ。」
「うん。」
だって今あたしの守るべき存在は家族。
その家族が借金にまみれてたら稼げるあたしが働かねぇと。
…この仕事が一番儲かるから、とかじゃねぇからな!!
「これはあたしがやりたくてやったから。
兄貴達には迷惑かけねぇようにする。」
「だからオレはそういう事言ってんじゃ…!!」
「ういうい、じゃあまた後で。」
「おいっ!!」
確か荷物に予備の眼鏡とゴムが入っていたはず。
って…予備をもう使うことになるとは…。
準備がいいのはさすが咲さん、と思った。
「お前っ…!!」
「もうこんなヘマしねぇよ。」
あたしはじゃっ!!と指を二本立て、額から飛ばすとクルリと方向転換すると卓斗から離れた。
これ以上卓斗の小言を聞くのはごめんだ。
「あ…じゃなかった、琥珀!!」
兄貴にヒラヒラと手をふりながらその場を立ち去った。
チッと卓斗の舌打ちを聞かなかったことにして…。
―――
「さて、どう料理してやろーか。」
卓斗は体育倉庫に戻り今だ延びている男子生徒を冷たく見下ろす。
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