潜入

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「おらっ全員起きろ!! オレに面倒かけさせんじゃねぇ!!」 「うっ…!!」 卓斗は手前にいた生徒の腹を蹴り上げ目を覚めさせる。 声かけで起きない奴には卓斗の蹴りが腹か脇腹に入った。 「…全員五体満足で帰れると思うなよ…?」 その場にいた全員は卓斗の殺気と威圧感に震え上がった。 ――― 余談 その後、この学校内どころか関東内で男子生徒を見た人はいなかったとか。 ――― 「………。」 さっきからものすごい視線を感じる。 確かにあたし、髪下ろしてるし眼鏡もねぇし…。 地味子からめっちゃ不細工になったと思われているようだ。 まぁ面倒だし不細工は本当だから否定しないけど。 これじゃ初めて桜花に行った日と丸っきりかぶるじゃねぇか。 あたしは視線をオールシカトしながら人気の少ない道を選んで職員室に向かう。 どうか誰もいませんように…と願ったら…。 本当に誰もいなかった。 「ラッキー♪」 しかしあたしはこれが卓斗が裏で操作していたとは知らない。 もうこれ以上あの姿のあたしを晒すわけにはいかない…。 .
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