潜入

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「姫…瞳孔かっぴらいて…。」 「誰でも暗い場所いれば当たり前だろ。 細かい事気にすんな。」 「…だな。」 あたし達は最上階の五階から捜査開始。 しかしあたしの鼻は薬の匂いを嗅ぎ付けない。 そりゃそうだ、あたしは犬じゃない。 ある程度は近づかないとあたしだって無理なものはある。 …他人よりは嗅覚も優れてると思うけど。 今いるのは被服室っぽい場所。 「これじゃ埒が空かねぇな…。 二手に別れっか。」 「は!?」 実は捜索を初めて一時間。 ここの階しか見れていなかった。 「そうだねー、残りは一階から四階まであるしー。」 「夜が明けちゃいますしね。 どう別れますか。」 「適当にじゃんけんでいいだろ。」 「は!?」 確かにそうかもしれねぇけど! この鬼卓斗!! あたしがこういう類いが苦手なの知ってて言いやがったな!? あたしが卓斗を睨み付けると…。 『お前もそろそろ克服しろ。 任務に支障が出るときだってあんだろ。』 と、目で返された。 ……。 誰のせいでこうなっちまったと思ってんだ―――!! .
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