潜入

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「じゃお前等一階から攻めてけ。 オレ等は上から降ってくから。」 「わかりました。」 「……。」 「じゃーな☆」 ウザイ!!めっちゃウザイ!! 何そのキラッキラの笑顔!! あたしは今すぐにでも逃げ出したいっつーのに!! 卓斗は手をヒラヒラさせながら行ってしまった。 魁さんはあたしがこういうの苦手なのを感付いてたのか、あたしに向かってガッツポーズ。 そんなことするんだったらあたしと変わってくれ―――!! 「…行くか。」 「…おう…。」 桑原愛、泣き出しそうなのをこんな我慢したのは久し振りです。 ――― 一階。 「……。」 「……。」 お互い無言のあたし達。 ってかあたしに喋る余裕なんかねぇし!! 神経ピリピリ張ってて喋れねぇし!! 晃は元々喋る奴じゃねぇから重い沈黙が流れるわけで。 ちなみにあたしは神経張ってるせいか小さな物音にも反応してしまう。 風が窓を叩く音とか、自然に何かが落ちる音とか。 .
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