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特に、気になる匂いはない。
何があたしの感に引っ掛かったんだろう。
「気のせい…だったか…?」
そうポツリと呟いた時、一番奥の棚で物音が聞こえた。
わずかながらに人の気配も。
「ヤバッ…。」
あたし達はここに忍び込んでいる。
一応警察の分類に入るが通報されたら色々と面倒がある。
それにもしも源川の人間だったら…この時間に旧校舎に来る奴は誰もいないだろう。
『ちょっと』脅して色々聞き出す。
あたしは足音を消しゆっくりと奥に進んで行く。
あたしは五感を冴え渡らせ些細なことも気づくようにする。
もし誰かいたんだったら相手は少し強いかもしれない。
あたしが物音たつまで気配に気づかなかったんだから。
「っ!!」
気配が、動いた。
気付いたときには遅かった。
壁際で人影が見えた。
「チッ…!!」
あたしも慌てて影を追う。
―――。
一瞬、人影の髪が月明かりに照らされた。
そのせいか知らねぇけど、一瞬髪が青く見えた。
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