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それからしばらく、あたしは影を見失い探した。
でも探しても見つからなくて…。
やっぱりあれは蓮だったのか、と思う。
だってあたしを撒くなんてあたしより強い人間じゃないと無理だ。
でも青髪であたしより強い人間なんて心当たりがない。
まさか…本当に、蓮?
でも蓮は…。
「愛っ!!」
「卓…斗…。」
「何があったんだ?」
「―――悪ぃ…、取り乱しちまった…。」
卓斗はギュッとあたしを抱き締めてくれた。
「晃が、お前の様子おかしかったって。」
「…うん。」
「…何見たんだ?」
「なぁ。」
「ん?」
「―――死んだ奴って、蘇ったりすんのか?」
「………は?」
あたしは胸に顔を押し付けてたから表情がわかんなかったけど。
多分予想外の答えに拍子抜けしたんだろう。
随分間の抜けた返事が返ってきた。
「何言ってんだ…無理に決まって…。」
「じゃあやっぱり、蓮は死んでなかったのか?」
「はぁ!?」
「…見ちまったんだ…。」
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