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そっくりだった。
あたしが蓮の後ろ姿を見間違うはずないと思ってるけど。
そしたら親父さんがやった蓮の葬式はどうなっちまうんだ…?
「蓮が…蓮がいたんだ…。
後ろ姿しか見えなかったけど、蓮だった。」
「それ…本当か?」
「…………た…ぶん…。」
正直自信はない。
顔を見た訳じゃないし、蓮にそっくりなやつを見ただけで。
蓮が死んでるってことは頭では理解してる。
でも…。
心のどこかでわかりたくないとも思ってるんだ。
「そうか…。」
卓斗は優しく頭を優しく撫でてくれる。
それに少しだけ安心した。
「あり…がと…。」
「おう。」
しばらくして落ち着いたあたしは卓斗から離れた。
「戻んぞ。
魁と晃が先に図書室の中見てくれてっから。」
「うん。」
図書室に着くまで、と思いながらあたしは卓斗の手を握った。
それに卓斗は少し驚いたようだが力強く握り返してくれた。
「お前…。」
「やめない、こんな中途半端な所で止めない。」
卓斗が言う言葉の続きが予想できたから先に遮った。
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