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「…愛は昔から頑固だよな。」
「それは卓斗もなんだからお互い様だろ。」
「…お前には負ける。」
「そーか?」
今は、家族を守りたいんだ。
勿論、晃達も咲さん達も守りたい。
でも今まで散々迷惑と心配かけちまった母さんに、これ以上気負いさせたくない。
あのクソ親父のせいで、表面上は明るく振る舞ってるだろうけど…。
実際内面はかなりやられてるはず。
…今のあたし、中学の時じゃ想像もできないだろうな。
昔は売られた喧嘩売られる分だけ買ってたし、売られなくても殺ってたし。
…今思うと、やっぱり荒れてたなぁ…。
「卓斗、ありがとう。」
いつの間にか図書室前に着き繋いでいた手を離した。
「別にそのまんまでもよかったんだぜ。」
「馬鹿(拓也)みてぇな事言ってんじゃねぇよ。」
卓斗がいつもからかう時に浮かべる笑みを浮かべていた。
だからあたしも軽い調子で返す。
卓斗、ありがとう。
あたしの中にある何かを持ち上げてくれたんだよね。
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