1856人が本棚に入れています
本棚に追加
/711ページ
「この野郎…!!」
一番前の席に座っていた生徒があたしの胸ぐらを掴む。
「口で勝てねぇとすぐに武力行使か?
幼稚園児以下だな…。
サバンナにいる野性動物か。」
「ベラベラベラ喋りやがって…!!」
「やめとけ。
女に手を出せば本当に成り下がっちまうぞ。」
「黙れ―――!!」
拳を握り大きく振りかぶって殴ろうとする。
あたしからすれば無駄な動き、隙がありすぎて呆れる。
こりゃ、あたしが普通にやったら不味いなーと考えながら…。
ニヤリ、と小さく笑みを浮かべた。
「キャーゴキブリー!!(棒読み)」
「うぐ!!」
ゴキブリなんて物がいるはずもなく。
あたしは叫んだ後、足と手をばたつかせる。
勿論ばたつかせたのはカモフラージュで一発目にきっちり拳を鳩尾に、脛に蹴りを一発決めた。
普段よりは力加減はして抜いたつもりだったけど相当効いたらしい。
おいおい…どんだけ弱いんだよ…。
「えっ見川君(胸ぐら掴んだ生徒)大丈夫?」
一応心配して背中を擦る。
教師役じゃなかったら絶対にスルーするよな。
「えーと、誰か保健室に連れてってあげてー。」
「見川!!」
後ろの方の生徒が腹を押さえて踞っている見川を支えながら教室を出ていく。
.
最初のコメントを投稿しよう!