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「そういう差別用語使うの止めろ、苛々する。」
「へー、オレにそんな事言っていいと思ってんだ?」
「知るか、んなことあたし自身が決める。」
バチバチとあたし達の間で火花が散る。
いい加減口割らねぇと手出すぞ、と思いながら睨んでいると…。
「ハハッ…あんた、気に入った。」
ニヤリと口角を上げ笑みを浮かべる目の前の男。
「オレが早水和樹本人、一卵性双子の兄だ。
昨日学校にいた奴は早水裕紀でオレの弟。
よく見破ったなぁ、初めてだぜ?」
「一卵性ねぇ…どうやら外見だけそっくりなわけだ。」
コイツ等2人と同じ一卵性の双子を思い出す。
うん…あいつ等もたまに入れ替わって遊んでたからなぁ…。
コイツ等もそんなところか。
「はぁ…わざわざ面倒事しやがる…。」
「でも裕紀が言ってた通り面白いな、あんた。」
「はぁ?」
「何の‘用事’かと思えば正体見破られてるし…。」
そりゃ昨日とあからさまに態度やら表情やら眼が違うんだ。
逆に今までバレなかった事が奇跡に近いと思う。
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