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「一卵性の双子なぁ…。
何で入れ替わるなんて真似したんだよ。」
あたしは呆れながら早水に尋ねた。
まぁ答えはなんとなく予想できるが…。
「面白そうだったから。」
見事に期待を裏切らない答えをくれた。
しかし頭がなぜか痛くなる。
そんなキラッキラの笑顔で言われましてもあたしはどう反応すりゃいいわけ?
「まぁそうだよな。」
頭痛薬荷物に入ってたっけなーと思いながら溜め息をついた。
「……。」
それにピクンと反応する早水。
「面白そうだったから、なぁ…。
んな下手くそな嘘付いてあたしを誤魔化せると思うなよ。」
「…!!」
つくづく、あたしって馬鹿だと思う。
ずかずかと人の心に入り込んで荒らして、なにがしたいんだか。
本当に、あたしは性悪だ。
「楽しんでる奴はそんな眼しねぇよ。
もっと他に理由があるんだろ?」
「……。」
「―――ま、あたしなは関係ねぇからな。」
あたしはココアを飲み干し椅子から立ち上がった。
それでも飲み足りずまたココアを飲もうとポットのボタンを押した。
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