双子

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「さーて…。」 あたしは指の関節をポキポキ鳴らし肩と首をぐるぐる回す。 ぶっちゃけあたしは機械に向かうの好きじゃねぇけど、今ばかりは仕方がねぇ。 あたしはキーボードに指を置くとカタカタと音を立てて弾き始めた。 タイピングは初めてパソコンと向かい合った時と比べるとだいぶ速くなったと思う。 文字が打ち込まれていく画面からあたしは目を反らせない。 あぁ、だからハッキングって疲れんだ。 カチカチと、時計の秒針があたしを急かしているように聞こえた。 数十分後―――。 「あーやっと出た…。 ってまったりしてる場合じゃない、コピーコピー。」 あたしはUSBメモリを差し込むとデータをコピー、移し出した。 あたしが今回ハッキングしたのは教頭のパソコンだ。 なんせ一番薬臭く目が死にかけていたからだ。 多分教頭自身も薬をやっていて…売人もやっているんだろう。 今日は教頭が学校に出勤している間に魁さんが自宅へ入り込んで調べてくれている。 家のパソコンで色々やっているのかと思えば学校のパソコンでも情報管理をやっているらしい。 驚きを通り越して呆れてくる。 .
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