双子

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「こりゃ、アイツに報告してウチに回してもらうか。」 「ま、アイツなら余裕だよねー。」 「アイツって?」 「泰樹さんだよ。」 「あぁ…。」 晃の答えに納得する。 ぶっちゃけあたしはちゃんと話したこと無いけど咲さんいわく本当に優秀らしい。 咲さん達と同い年にも関わらず警部まで上り詰めたのだとか。 いや、そんな凄い人と馬鹿兄貴が繋がってた事の方が驚きだけど。 行方不明になっていたときに色々あったんだと思う。 「泰樹に校長に話通してもらえば何とかなるだろ。」 「でもこれ、決定的証拠つうの? 麻薬自体が写ってる写真がねぇけど。」 「これだけの名前があれば大量の麻薬隠し持ってそうなんすけど。」 「あーまぁなー。」 あたしが教頭の机で撮った写真じゃ量が明らかに足りない。 かといってもう探す場所がないし…。 「やっぱ自宅に隠してんのかなー。」 「ここは人気が多いからな…。」 もしかして、旧校舎に見落としがあったんじゃ…。 そう言われてみれば…蓮(もどき)が出た時からあたしは余裕が無かったし、晃だってあたしを探してくれてた。 .
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