双子

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「……ごめん…。」 小さく、消え入りそうな声が耳に入った気がした。 なんの意味の謝罪かわからなくて、首をかしげそうになったがここはやめた。 深く聞いて傷つくのは兄貴だ。 だからあたしは聞こえないフリをした。 ―――ガコン。 「え?」 「なんだ今の?」 「なんかハマったんですかね。」 あたしが押し付けられていた本棚がガタンとおかしな音をたてた。 もしかして、壊したのか? だらだらと冷や汗をかくあたしと卓斗。 ちなみに晃は平然としていた。 「いっそのこと壊せば良いんじゃね!?」 「おい!!やめろ!!」 「ひっ姫!!」 あたしは強烈な蹴りを本棚に食らわせた。 本棚は崩壊…はせず。 「あり?」 「「………。」」 本棚は勢いよく横移動し…。 「なんだ、地下への階段か?」 「…これってアニメか漫画の世界だろ。」 「…激しく姫に同感。」 地下へ降りる階段が現れた。 ペンライトで少し照らしてみるが先が思った以上に深い。 「魁が来たら中入るぞ。」 「あれ?魁さんは?」 「校長室元に戻してる。」 .
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