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樹さんの声にぴくんと反応してしまった自分を恨めしく思った。
なんでかって?
あっちゃんって、あたしが昔呼ばれてたんだよな…。
中学生頃になって恥ずかしいからやめろっていったはずだったんだけど。
つか樹さん絶対誰かと勘違いしてやがる!!
あたしはここに来るまで樹さんのこと知らなかったし!!
「あっちゃん無事でよかった!!」
「へ!?」
なぜか樹さんに抱き締められている。
だからなんで!?
「ちょっ放してください!!
あたしはその『あっちゃん』じゃないですし、そう呼ばれたことは…。」
「そんなはずないよ、だってこの栗毛に髪色は……。」
「は?」
あたしは樹さんから離れ自分の髪を見てみる。
だって今あたし、ちゃんとカツラ被って…。
「…あれ?」
しかしあたしの目に映るのはあの見慣れた明るい茶髪に栗毛。
つまりは地毛。
「え!?」
なんでカツラがねぇんだ!?
あたしは慌てて見渡せば侵入してきた窓の鍵にゴムが引っ掛かっている。
飛び移る時に引っ掛かってたのか!?
あたしは慌てて取りに行き地毛を纏めカツラを装着。
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