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「……!!」
「いだっ!!」
「…能無しか、アンタは。」
「お前に言われたかねぇよ。」
あたしは宮部が引き金を引いたと同時に涼の頭を机に押し付けた。
そして隣の生徒からシャーペンらしき物体を頂戴すると宮部に向かって投げた。
そのシャーペンは宮部の頬を掠り後ろの黒板を少しだけへこませ床へ落ちた。
「…エアガンか…。」
あたしの目に映ったのは飛ぶ速さが拳銃よりかなり遅く当たり前だが実弾代わりのBB弾。
「お前相当反射神経と動体視力良いんだな…?」
「…どーも、お褒めにお預かり光栄です。」
宮部の探るような目に一瞬心臓がざわついた。
反射的にシャーペン投げちまったけど…大丈夫だよな…?
あたしの正体がバレた訳じゃねぇよ…な…?
「痛ぇよ馬鹿愛!!
思いっきり机に叩き付けてんじゃねぇよ!!」
あたしと宮部の間に流れるピリピリとした空気。
そんな空気を壊したのは涼だった。
「怪力女っ!!鼻赤くなっちまうじゃねぇか!!」
痛そうに顔をさする涼、見れば額と鼻の頭が赤くなっている。
痛みのせいで若干涙目にもなっているような気がした。
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